[メイン2] プレラーティ : シーン名「冷凍カエル、後は時々」シーンプレイヤー:プレラーティ登場:自由

[メイン2] プレラーティ : 50+1d10 登場/リザレクト (50+1D10) > 50+10[10] > 60

[メイン2] 申鶴 : 39+1d10 登場/リザレクト (39+1D10) > 39+6[6] > 45

[メイン2] プレラーティ :  

[メイン2] プレラーティ : 早速別行動に出た私達は、チルドレンが在籍していた支部に到着した

[メイン2] プレラーティ : これから、さっさと検査を終わらせるつもりなわけだが…

[メイン2] プレラーティ : …少し、空気が重いわけだ

[メイン2] プレラーティ : 「…で、現場についたわけだが。お前、今回の事件をどう思っているワケダ?」

[メイン2] 申鶴 : 「…………」

[メイン2] 申鶴 : プレラーティの声に、資料から目を離して。

[メイン2] プレラーティ : 「脱走したチルドレン、推定だけど。戻るつもりは無いと見ていいわけだ……」

[メイン2] プレラーティ : 「そんな奴を、みんなでどうするかって話し合う羽目になるのは目に見えるわけで……」

[メイン2] プレラーティ : 「その時、お前はどうするつもりなワケダ?」

[メイン2] 申鶴 : 「……質問の意図がよく掴めていないが…」

[メイン2] プレラーティ : 「見極めておいた方が、後々立ち振る舞いが楽になるってワケダ」

[メイン2] ガマ口 : ガマ口の頬を突きながら、プレラーティは気楽に回答する

[メイン2] 申鶴 : 「……あ…いいや、掴めていないというのは…"話し合う羽目になる"という点だ」

[メイン2] 申鶴 : 「上から保護を通達された以上、我たちはそれを遂行する。……他に為すことがあるのか?」

[メイン2] 申鶴 : 平然とそう言い切る。

[メイン2] プレラーティ : 「大変真面目で結構、評価が高いわけだ」
ケロケロ笑い

[メイン2] プレラーティ : 「ま、今話す事でもなかったのは事実なワケダし、後回しにして……」

[メイン2] プレラーティ : 「さっさと現場の調査を終わらせて休むわけだ」

[メイン2] 申鶴 : 「……」
承知した、の言葉が自然と喉奥で遮られ。

[メイン2] 申鶴 : 「……主は。……あるいは主たちは、そうではないのか?」

[メイン2] プレラーティ : 「種類にもよるが……少なくとも、私はそうなわけだ」

[メイン2] 申鶴 : 「……」

[メイン2] 申鶴 : 横目でプレラーティを凝視しながら、施設の奥へと進む。

[メイン2] プレラーティ : 申鶴への印象を少し変えつつ、コツコツと音を立てながら現場へと進み、調査を再開する

[メイン2] 申鶴 :

[メイン2] 申鶴 : ・チルドレン施設内の状況について
 <情報:UGN>、難易度:8。

[メイン2] 申鶴 : 2dx+1>=8 (2DX10+1>=8) > 9[1,9]+1 > 10 > 成功

[メイン2] GM :  

[メイン2] GM : ・チルドレン施設内の状況について
 破壊された金庫からは3000万円ピッタリ盗まれており、その他財金、機密情報等は一切手を付けられていない。
 また、"リューコサイト"の、質素で殺風景な部屋を捜索すると、机に1枚のメモ紙が目に映る。
 そこには、「"黒い死神"」という文字のみが書かれており、それ以外には何も無い。
 さらに、UGN施設内にある図書館にて、"リューコサイト"が本事件を起こす前に「罪と罰」という名の本を借りたようで、現在も未返却のままだそうだ。

[メイン2] GM :  

[メイン2] GM : 追加情報

[メイン2] GM : ・「罪と罰」について
 <知識:本><情報:UGN>、難易度:8。

・"黒い死神"について
 <情報:UGN><情報:FH><情報:裏社会>、難易度:11。

[メイン2] GM :  

[メイン2] プレラーティ : 黒い死神について、情報:噂話
援護ウィブレ

[メイン2] プレラーティ : 5dx+13 (5DX10+13) > 7[3,3,4,4,7]+13 > 20

[メイン2] GM :  

[メイン2] GM : ・"黒い死神"について
 その名は裏社会でのみ噂されており、望む者に"安楽死"を与える闇医者だそうだ。
 UGN内においても、極一部がその名を挙げることはあるが、表立ったレネゲイド事件を起こしていないため、対処は二の次とされている。
 また、"安楽死"の対象となっているのは、非オーヴァードのみならず、オーヴァードにも確実の死を与えているそうだ。
 "黒い死神"への接触は困難であり、繋がりを持つFHセルの経由が必要不可欠だ。
 また、"安楽死"は無償で与えるものではなく、3000万円の用意が必要となる。この金額は、仲介者へも見せる必要がある。

[メイン2] GM :  

[メイン2] プレラーティ : 「……とまあ、こんな具合にブラックなジャックに合いに行った様に取れる証拠ばかりってわけだ」

[メイン2] 申鶴 : 「……」
かりかりとメモを取りながら、それに頷く。

[メイン2] プレラーティ : 「…さーて、向こうの連中からはデータが来たし」

[メイン2] プレラーティ : 「後は、おひとり様の魔女っ娘に期待なワケダ」

[メイン2] 申鶴 : 「ああ……」
ふと手を止め

[メイン2] 申鶴 : 「……特段驚きや怒りのようなものはないのだな。……あちらの彼女ならば、もう少し多様な反応も見られたろうに」

[メイン2] プレラーティ : 「経験上、慣れた問題でもあるってワケダ……“死にたい”ってのも、このご時世だと聞き慣れることが多すぎるってわけだ」

[メイン2] 申鶴 : 「ふむ…」

[メイン2] 申鶴 : 「……ならば、今度は改めて我から聞こう」
ぱたん、とメモを閉じて

[メイン2] 申鶴 : 「それを踏まえて、主はどう動こうと思っている?」

[メイン2] プレラーティ : 「……」

[メイン2] プレラーティ : ガマ口を上に上げ、下に下げ
左右に左右と振り回した後

[メイン2] 申鶴 : ……そういえば…なんだ?その蛙は…

[メイン2] プレラーティ : 「まあ、丸い方法としてはそもそもメンタルカウンセラーを呼ぶなり、スパに漬けるなりして強引でも奴さんを止めることが先決なワケダ」

[メイン2] プレラーティ : 「無理なら、力づくで連れ帰るか……まあ、ジャームになりそうなら……」

[メイン2] プレラーティ : 「“現場の判断”ってワケダ」

[メイン2] プレラーティ : 気軽に溢すと、一回転したガマ口を抱きかかえ、その場から立ち去ろうとする

[メイン2] プレラーティ : 「行こう、ここはもう用済みってワケダ」

[メイン2] 申鶴 : 「…………」
その後に続きつつ。

[メイン2] 申鶴 : 「本心か?」

[メイン2] 申鶴 : 「……『見極めておいた方が、後々立ち振る舞いが楽になる』のだろう?」
と、無表情のまま付け加える。

[メイン2] プレラーティ : 「…………」

[メイン2] プレラーティ : 「さーて、それはどうなのか……結果が出てからのお楽しみ……」

[メイン2] プレラーティ : 「と、いうのは嫌いなワケダ?」

[メイン2] 申鶴 : 「……好きも嫌いもない。主の評価によると、我は"真面目"らしいということだ」

[メイン2] プレラーティ : 「ん…そーいえば、そうだったわけだ」

[メイン2] プレラーティ : 「“本心”なんて御大層な物ではないが…」

[メイン2] プレラーティ : 「仲間の負担を減らすのが目標ではあるってワケダ」

[メイン2] 申鶴 : 「……」
口元に手を当て、言葉をじっと待つ。

[メイン2] プレラーティ : 「なーに、言ってしまえば。ジャームへの対処が面倒ってのと、ほんの少しの情け心ってワケダ」

[メイン2] プレラーティ : 「なにせ、不安定な立場に揃って乗り上げてるわけだし」
「負担は少ない方がみんないいだろう?」

[メイン2] 申鶴 : 「……ふむ。」

[メイン2] プレラーティ : 「世迷言でも時には乗るワケダ。なにせ私は、楽しい事が好きだし……」

[メイン2] プレラーティ : 「嫌なことは誰もがしたくないんだから、無い方がいい。そうは思わないワケダ?」

[メイン2] 申鶴 : 「成程。……生憎、楽しいとか嫌だとか……我はそういった共感でものを考えたことがないが……主がそう言うのならば、そうなのであろう」

[メイン2] 申鶴 : とん……と、自身に問うように胸の前に手を置いて。

[メイン2] プレラーティ : 「納得の一助にでもなれたなら、まあ良かったワケダ」

[メイン2] 申鶴 : 「……納得か。ああ」

[メイン2] 申鶴 : 言葉を切って。

[メイン2] 申鶴 : 「……或いは、井の中で凍った蛙のように。」

「"そのようなやり方"しか━━我はまだ知らないと、それだけのことだ。」

[メイン2] プレラーティ : 「(……どいつもコイツも、難儀なワケダ)」

[メイン2] 申鶴 : 「……だから。」
難儀にも、一切の表情を変えずに。

[メイン2] 申鶴 : 「……我に見せてくれ。主なりの"やり方"というものを」

[メイン2] 申鶴 :

[メイン2] 申鶴 :

[メイン2] 櫻 美鳳 : ───Middle
CASE『DEATH&HERMIT with The Fool』

 Appear in scene : 仙人と金の亡者……ならぬ愚者

[メイン2] 櫻 美鳳 : 66+1d10 登場/リザレクト (66+1D10) > 66+5[5] > 71

[メイン2] 申鶴 : 62+1d10 登場/リザレクト (62+1D10) > 62+6[6] > 68

[メイン2] 櫻 美鳳 :  

[メイン2] 櫻 美鳳 : 「ふぅ~~~……たっかい買い物してもうたなぁ……」
すると京子についていくわけでもなく、近くの椅子を借りて座り込んで
ウェポンケースも置いて腕を回す。

[メイン2] 黒い死神 : メガネをかけ、資料を眺めていたところに聞こえた、メイフォンの大きな声に
眉をピクリと動かし、じろりとそちらの方を向く。

[メイン2] 黒い死神 : 「オレの監視というわけか?」

[メイン2] 櫻 美鳳 : 「まぁまぁまぁ 姐さん姐さん!
 そう固い事言わへんでええて! なあ? 申鶴?
 まっウチはお釣りが欲しいだけや…
 あっ お金を幾分か返してほしいわけちゃうで!」

[メイン2] 櫻 美鳳 : 「あんさんの事を知りたいだけや~
 なんてな 好奇心や 好奇心」

[メイン2] 黒い死神 : 「……………」

[メイン2] 申鶴 : 「……意図は察せられないが、美鳳がそう言うのならそうなのであろうな」

[メイン2] 申鶴 : 美鳳の後ろに侍るように佇む。

[メイン2] 黒い死神 : 「……随分と不躾で、物好きなもんだ
 ……3000万円を払わねばここには来れない
 話くらいは聞いてやろう」

[メイン2] 黒い死神 : リューコサイトに関する診断結果のカルテを一旦置き
目の前にいる"顧客"の満足を果たすために、両肘をデスクへ乗せ
手の甲に顎を乗せ、気だるげな姿勢に。

[メイン2] 櫻 美鳳 : 「おおきに! ちなみにこの子も……腕が無いんわな
 "そういう事"や この子もあの子と同じぐらいアホ抜かしとる
 けれど腰抜けではないんや 良い子やで~」
と言いながら、足を組んでリラックスしながら申鶴に視線を送り。

[メイン2] 櫻 美鳳 : 「…………そして あんさんも良い人や」

[メイン2] 申鶴 : 「…………」
どこかむっとしたようにも見える無表情で、その様子を眺める。

[メイン2] 櫻 美鳳 : 「なぁんで そんなあんさんが
 闇医者をやっとるか ウチは知りたいで
 ……っと 不躾やったな~ ウチは櫻 美鳳や!」

[メイン2] 黒い死神 : 「……あん?」
片眉に力が入り、眉間に皺が寄る。
メイフォンをじっと見つめる。

[メイン2] 黒い死神 : 「……ああ、オレは"黒い死神"だ、まぁ知っての通りだろうけどな」

[メイン2] 黒い死神 : 「……オレが闇医者やってる理由なんぞ聞いたところで仕方ないだろ
 ……はぁ……つっても、お前もお前で、テコで動きそうにもない、か……」

[メイン2] 黒い死神 : 諦めたように、はぁ。と溜息を洩らし。

[メイン2] 黒い死神 : 「─────メイフォン、お前はオーヴァードとなって
 どう感じている。」

[メイン2] 黒い死神 : 「生きるとはなんだ?」

[メイン2] 黒い死神 : 「オレ達はもはや、半分人間として死んでいるも同然じゃないか?」

[メイン2] 櫻 美鳳 : ニヤニヤと笑いつつも、その溜息を境に───
口を一の字にし、その問いに頷きはしないがしっかりと耳朶に触れさせて
帽子を少し深く被って、思慮を巡らせる。

[メイン2] 櫻 美鳳 : 「せやなぁ……生きる、かぁ……
 そう言われてみると、なんちゅーの?
 口に出した事はあんまあらへんかったわな」

[メイン2] 櫻 美鳳 : まぁきっと、それは大体の人間がそうだ。
オーヴァードを含めても。

[メイン2] 櫻 美鳳 : 「───ウチは、オーヴァードになる前は平凡な暮らしをしとった
 いや人によってはそうは見えへんかもしれへんな
 まっ色々あって感染したわけや そしてあんさんほどやないけど
 闇に半身浴しとる身になったわけや」

[メイン2] 櫻 美鳳 : 「人によっちゃあ 死んでる
 "終わっとる"人生って思われるかもしれへんなぁ」

[メイン2] 櫻 美鳳 : 「でも……ウチは、このオーヴァードの力を使って
 愛する金を稼いどる、その瞬間こそ生きてるって実感できるんや
 そしてその愛した金を"散財"して、背中を押す瞬間もな!」

[メイン2] 櫻 美鳳 : 「逆に訊くわ」

[メイン2] 櫻 美鳳 : 「あんさんは自分の事を半分死んでると思っとるような口ぶりやけど
 いや直球やからそうなんやろうけど
 本当にそうなんか?」

[メイン2] 櫻 美鳳 : 「ウチはな思うねん 半分死んどるって言う奴が
 死に臨む"覚悟"とやらに向き合い続ける事ができるんか?
 闇"医者"なんて事ができるんか? って」
デスクを一瞥する。

[メイン2] 黒い死神 : 「オレはな」

[メイン2] 黒い死神 : 「それにお前もだ」

[メイン2] 黒い死神 : 「オレ達は、"覚悟"ができているから、こうして生き続けることができる」

[メイン2] 黒い死神 : 「ある意味割り切って生きているからな、だから生半可なことじゃ
 オレも、そしておそらくはお前も、死にたいって思わないだろ」

[メイン2] 黒い死神 : 「だから、半分人間として死んでいる状態でも
 オレ達は生きている。ダブルクロスとはよく言ったものだな」

[メイン2] 黒い死神 : 「─────だが現実問題として、どうだ?」

[メイン2] 黒い死神 : じろりと、メイフォンを見据える。

[メイン2] 黒い死神 : 「覚醒した人間の、全員が全員、"覚悟"を持って生き続けられると思うか?
 自分という存在が、実は蝋燭の先に燃える小さな火だという事実を知り
 そして─────愛する家族、友人、恋人もまた、同じような存在だと知り」

[メイン2] 黒い死神 : 「本当に、強く生き続けれる人間が大半なのか?
 違うだろ。オレ達はしょせん─────"狂人"だ」

[メイン2] 黒い死神 : 「ある学者に、宇宙に寿命があるということを知り
 絶望し自殺した者がいたそうだな」

[メイン2] 黒い死神 : 「宇宙滅亡など、遠い未来なはずなのにな
 おかしな話だろう?」

[メイン2] 櫻 美鳳 : 「───一時の気の迷いを世界の全てと思うてしまうんやろな
 まあっどんだけ果ての事でも、身近な事や思うて
 死んでまうって事は心が弱かったんやなくて……背負いすぎなんやろな」

[メイン2] 櫻 美鳳 : 「"覚悟"を持って全員が生きられるわけやあらへんのは
 当たり前やな……あんさんの言う通り、ウチらが狂人なんや」

[メイン2] 申鶴 : ウチら、の部分に反応するように静かに瞬きを返す。

[メイン2] 櫻 美鳳 : 「けど小さな火はな……集まれば炎になるんや
 …………でも誰もそうはせえへん させへん
 寄り添わへん 寂しい風のようなすかんぴんな世の中が
 いけへんのやろなぁ」

[メイン2] 櫻 美鳳 : 「ウチは安楽死を否定する気は更々あらへん
 覚悟があっても耐えられへんことなんてあるしな
 重度の病気とかせやせや」

[メイン2] 黒い死神 : 「ああ」

[メイン2] 黒い死神 : 「生を強いるのは残酷だろ」

[メイン2] 黒い死神 : 「だからオレは、安楽死を選択肢の一つとして提供している
 無論、生半可な覚悟による死は選ばせるつもりはない」

[メイン2] 黒い死神 : 「3000万円だ
 この大金は、さっきも言ったように証明だ」

[メイン2] 黒い死神 : 「借金を背負ってまで、オレの下へやってくる患者はいる
 そしてその患者は、死の間際にオレにこう言う」

[メイン2] 黒い死神 : 「『ありがとう、先生』」

[メイン2] 黒い死神 : 「─────この言葉こそが、オレが闇医者として
 そして、安楽死を提供する"死神"として生き続けさせる理由だ」

[メイン2] 黒い死神 : 満足か?と言わんばかりに、椅子に凭れ掛かる。

[メイン2] 申鶴 : 「…………それが。主を生に縛りつける"覚悟"の正体か?」
ふと口を開く。

[メイン2] 黒い死神 : 「ああ、そうだが?」

[メイン2] 櫻 美鳳 : 「そうか…………」
深く被った帽子を元に戻せば

[メイン2] 櫻 美鳳 : 「あんさんの事は否定せぇへんわ
 安楽死は需要があるんなら もうそれだけで良いわ
 だからあんさんのやり方に文句をつけられる奴はおらんわ

 それにあんさんはカウンセラーやないようやしな
 患者の背景なんて3000万を持ってきた以外は気にせえへんやろし」

[メイン2] 黒い死神 : 「まぁな」

[メイン2] 黒い死神 : 「心のケアをやれるほど、オレは大した医者じゃない
 やれることは、"確実"な、"安らか"な"死"を与えるだけだ」

[メイン2] 櫻 美鳳 : 「……………………今、きっとあの扉の向こうで
 京子たちがやってる頃や、あんさんのその志
 誰も否定せぇへんよ……けれど、なあ」

[メイン2] 櫻 美鳳 : 申鶴を見て。

[メイン2] 申鶴 : 「……」

[メイン2] 櫻 美鳳 : 「"本音"だとしても まだ更に"本音"があるやろ、な?」

[メイン2] 黒い死神 : 「…………」

[メイン2] 黒い死神 : 目を細め。

[メイン2] 黒い死神 : 「何が言いたい?」

[メイン2] 櫻 美鳳 : 「…………だって、なあ? あんさん自分で言うとったやん
 そしてそこに一文字加えて
 今やっとるやろ? なあ申鶴もわかるやろ?」

[メイン2] 申鶴 : こくりと頷き。
「……"気持ち"など、今の我には推測程度だが」

[メイン2] 申鶴 : 「主の覚悟は。
 闇医者として━━"人を殺し続ける覚悟"か?」

[メイン2] 黒い死神 : 「そりゃ、違うな」

[メイン2] 黒い死神 : 「─────安らぎを与えることに他ならない、つまりは……」

[メイン2] 黒い死神 : 「……オレなりの、"人助け"ってところだな」

[メイン2] 黒い死神 : バツが悪いように、不機嫌な表情で
カルテの方へ視線を移す。二人には視線を合わせず。

[メイン2] 櫻 美鳳 : 「……表の医者じゃあ大っぴらでできへん汚れ仕事をやっとるわけや
 あんさんも医者のはしくれ……助けられる命は
 表で助かってほしいんや たとえば……オーヴァードは
 "ホワイトハンド"とかにやな」

[メイン2] 黒い死神 : 眉間に皺をよせ、髪を掻きながら。

[メイン2] 櫻 美鳳 : 世俗から離れてる『仙人』だけあって
"違う"と本人の口から吐かせる申鶴に、やりよるな~、と言わんばかりの視線を送りながら。

[メイン2] 黒い死神 : 「そりゃ、助かる命があることに越したことはないさ」

[メイン2] 黒い死神 : 「………じゃあなんだ?」

[メイン2] 黒い死神 : 再び、メイフォンと申鶴の方を向き。

[メイン2] 黒い死神 : 「─────あの少女の"心"は、救える
 医者でもカウンセラーでもないお前らに」

[メイン2] 黒い死神 : 「そう言いたいわけか?」

[メイン2] 申鶴 : 「…………」
舞台役者のような扱いに、少し不機嫌になりつつ。

[メイン2] 櫻 美鳳 : 「決まっとるやろ、心を救うんは
 医者やカウンセラーだけとちゃうんや
 でなきゃ……今頃カウンセラーの需要爆上がりやで!」
ニヤニヤとしながら、申鶴に「なぁ」と。

[メイン2] 申鶴 : 「……」

[メイン2] 申鶴 : 「救える。」

[メイン2] 申鶴 : 「━━と、あちらの彼女ならば断言していただろうが。」

[メイン2] 申鶴 : ふるふる、と首を振る。

[メイン2] 櫻 美鳳 : 「───さよか
 けど……あんさんも信じとるんやな」

[メイン2] 申鶴 : 「……ああ。今の我には━━"わからない"」

[メイン2] 櫻 美鳳 : 「まあ考えてみれば ウチも救えへんかもしれへんな! 確かに!
 "お前ら"って言われたら確かに無理や! けんども……
 せや "あちらの彼女"なら確かに、な」
にぃっと、笑い。

[メイン2] 申鶴 : 「……。」
再びこくり、と頷いて。

[メイン2] 櫻 美鳳 : ("わからない"のは一時の恥やで
 知ろうとしないのは一生の恥や
 けれど……あんさんは"知ろう"としとるやん、それだけで儲けもんやで)

と心の中で呟く。

[メイン2] 申鶴 : 「……わからないから、見届けたいのだ。その可能性を」

[メイン2] 申鶴 : その声に応えるように。

[メイン2] 黒い死神 : 「…………」

[メイン2] 櫻 美鳳 : 「いい心がけや! 大海原より広いなぁ~ たはは!」
帽子を浅く被れば、"黒い死神"を見る。

[メイン2] 黒い死神 : 「オレには、お前さんらの存在は少し─────
 ……眩し過ぎるな」

[メイン2] 黒い死神 : はぁ。と溜息を吐き。
─────席を立ち上がり、黒いマントに身を包む。

[メイン2] 櫻 美鳳 : 「あっ どこ行くんや!」

[メイン2] 黒い死神 : 「帰る」

[メイン2] 櫻 美鳳 : 「…………

 あんさんの名前 まだ聞いとらんで」

[メイン2] 申鶴 : 「……」

[メイン2] 黒い死神 : 「………チッ、黒い死神でいいだろ……」

[メイン2] 櫻 美鳳 : 「ええやん 減るもんやあらへんやろ
 ウチにだけ耳打ちでもええからさ~ 姐さん!」
黒い死神、とは繰り返さず『姐さん』呼び。

[メイン2] 黒い死神 : 頭をガシガシと搔きながら、苛立ちの表情を見せ。
メイフォンの方へ、ちらりと向き。

[メイン2] 黒い死神 : 「─────毒島 霧子だ」

[メイン2] 櫻 美鳳 : 「ニッ」

[メイン2] 櫻 美鳳 : 「覚えたで 霧子姐さん

 ええケツしとるし
 ええ彼氏か彼女捕まえーや」

[メイン2] 黒い死神 : 「あ………?」

[メイン2] 申鶴 : 「……主も、こちら側…だと思うがな。」
「『何も知らん、赤の他人の願い』…ずっとそれに向き合ってきたのだろう?」
ぽつりと。

[メイン2] 黒い死神 : 思いっきり不機嫌そうな顔をしながら。

[メイン2] 黒い死神 : 「……はぁ、お前さんらも、本当に物好きな奴だ……全く」

[メイン2] 黒い死神 : 「ただ、もう今日で、ここでの闇医師業は廃業だ
 持ってきた金も適当に持って帰ってろ」

[メイン2] 黒い死神 : 「UGNに居場所バレ。んで患者への施術は、お前さんらがいる限りは
 行使不可。どう考えても、オレがここに滞在し続ける理由にはならねぇ」

[メイン2] 黒い死神 : 「早いところ撤収しねぇと、お前さんらの支部の部隊が突入してくるだろ」

[メイン2] 黒い死神 : あと、お前らをここに呼んだ仲介人もブッ殺さねぇとな……。と、付け加えて。

[メイン2] 櫻 美鳳 : 「おかげで業務妨害で通報もできへんからな
 "ウチ"と"あんさん"みたいな汚れてるのはなぁ~
 敵わんわな? っと」

[メイン2] 櫻 美鳳 : 「意外に物騒やなぁ~姐さん……」

[メイン2] 櫻 美鳳 : すると、そのまま京子のいる扉の方を見て。

[メイン2] 申鶴 : 「……腕が返らないのは、少し困る。」

[メイン2] 申鶴 : 今なお正体不明の"気持ち"に突き動かされた、剥き出しの肩のあたりをさすって。

[メイン2] 黒い死神 : 「………ああそういうことか、お前さんは腕を担保にしたのか」

[メイン2] 黒い死神 : 「チッ……なら、これもケジメってとこか……
 次の日あたりには、この地下医療室はもぬけの殻だ
 が……まぁ、置いとくわ、お前らが預けたもん全部
 あのクソ野郎から奪ってな」

[メイン2] 櫻 美鳳 : (……意外にアイツもクソって程やなかったんやけど)
と、頭を掻いて。

[メイン2] 櫻 美鳳 : どっちも覚悟ある人限定でお人よしで、似た者同士に見えるんやけどな。

[メイン2] 申鶴 : 「……できるなら、なるべく殺すのはやめてほしい。我の我慢の甲斐がないからな」

[メイン2] 黒い死神 : 「…………チッ」

[メイン2] 黒い死神 : 不機嫌そうに眉に力を込めながら。

[メイン2] 申鶴 : 「━━"人を殺す医者"ではないのだろう?」

[メイン2] 黒い死神 : 「ったく……お前さんは……なんつーか、本当に……な
 ………痛ェところばっか突きやがって」

[メイン2] 黒い死神 : そうして荷物を纏めた黒い死神は、地下室の出口まで歩き。
最後に、二人の方へ振り返る。

[メイン2] 黒い死神 : 「改めて聞く
 お前さんらの名前、なんだったか?」

[メイン2] 櫻 美鳳 : 「ウチは櫻 美鳳や!」
と手短に再度、名を名乗れば。
申鶴に視線を送る。

[メイン2] 申鶴 : 「申鶴。」

[メイン2] 黒い死神 : 「……メイフォンに、申鶴な。
 ああ、もう二度と会いたくない奴の名前として憶えておくわ」

[メイン2] 黒い死神 : 「じゃあな」

[メイン2] 黒い死神 : ─────そして少女は、黒い外套を揺らめかせながら
"闇"へと消えて行った。

[メイン2] 櫻 美鳳 : 「おおきに! まいどあり───…………」 

[メイン2] 櫻 美鳳 : 「…………」

[メイン2] 申鶴 : 「…………」

[メイン2] 櫻 美鳳 : 「霧子姐さんはああ言ってたけど
 あれは俗に言うツンデレってやつやで きっと」
帽子を深く被り、ニヤニヤ笑いながら。

[メイン2] 申鶴 : 「……………………つんでれ……?」
美鳳に向き直り。

[メイン2] 櫻 美鳳 : 「でなきゃ、わざわざ一度聞いた名前をもう一度聞かんやろ
 『医者』なんやから、それにあんな事 わざわざいう必要もあらへん」

[メイン2] 櫻 美鳳 : 「まぁ本音やとしても
 ウチが生きてる間に2度ならぬ3度も4度も会ったるわ」

[メイン2] 櫻 美鳳 : そう言うと、美鳳は「よくやった!」と言わんばかりに
申鶴の尻を叩こうと、申鶴の後ろで手を振り上げる。

[メイン2] 申鶴 : 「それは…………」
言いかけて。

[メイン2] 申鶴 : 「…………!」

[メイン2] 櫻 美鳳 : 「───おっ 申鶴もええケツしとるな~!」

[メイン2] 櫻 美鳳 : 「叩きがいあったわ! な~はっはっはっ!」

[メイン2] 申鶴 : 「…………。」
「━━生憎、我は安楽と行くほど調整は得意ではないが。」

[メイン2] 申鶴 : ぎっ。

[メイン2] 櫻 美鳳 : 「ん?」

[メイン2] 申鶴 : …申鶴の周りに、氷の護符がひらひらと小さく舞い始める。

[メイン2] 櫻 美鳳 : 「…………申鶴ぅ……姐さん?」

[メイン2] 申鶴 : 「……言い訳なら……施術室のベッドで聞いても構わないか?」

[メイン2] 櫻 美鳳 : 「……ちょ ちょっ! 申鶴姐さん!
 ウチ死ぬて! ウチ死ぬて! 冗談やろ? ツンデレってやつやろ!
 わかるでぇ……うんうん……」

[メイン2] 櫻 美鳳 : 冷や汗をかきながら、腕を組んで
「わかるわかる」と言わんばかりに首を縦に振り続ける。

[メイン2] 申鶴 : 鋭い眼光の先に、細長い板状に張った氷の膜が形成され……やがて。

[メイン2] 申鶴 : ぺちーん。

[メイン2]   : 「ぎゃいぃ~~~ん!!!」

美鳳の情けない悲鳴が室内に響く。
その悲鳴があの死神の下にまで届いてしまったかは、また別の話である。

[メイン2]   :  

[メイン2]   :